「この支払、社長に確認したほうがいいですよね?」
経理担当者がこの質問を1日に何度もしている会社は、決裁基準がない会社です。基準がないから毎回聞く。聞かれた社長も毎回考える。そして次に同じ金額の支払が来ても、また同じやりとりが起きます。
必要なのは、立派な規程ではありません。「取引の種類 × 金額 × 決裁者」を書いた1枚の表です。これがあるだけで、判断のために止まる時間が消え、あわせて不正やミスに気づける仕組みの土台ができます。
この記事では、決裁基準がない状態で何が起きるのか、金額をどう区切ればいいのか、決裁権限表をどう書けばいいのかを、実際に手を動かす順番で整理します。社員数人の会社でも今日から作れる粒度でまとめました。
この記事を書いた人:中小企業の経理実務と、税理士事務所向けの実務ツール制作をしています。会計ソフトでは埋まらない「現場の手作業」を減らすテンプレートを作っています。
結論:規程より先に、A4一枚の決裁基準表を作る
内部統制という言葉を調べると、上場企業向けの分厚い解説が出てきます。中小企業がそれを真似しようとすると、たいてい着手する前に終わります。
順番はこうです。
- A4一枚の決裁基準表を作る(取引の種類ごとに、金額区分と決裁者を書く)
- 3か月ほど運用して、詰まった箇所だけ直す
- 形が固まったら、職務権限規程や経理規程として文書化する
いきなり3から始めないでください。実務で回らない規程は、作った翌月から誰も見なくなります。先に運用、あとから文書化が現実的です。
そしてもう一つ大事なことがあります。決裁基準は決めて終わりではなく、書き残して引き継がれてはじめて機能します。 ここは記事の後半で触れます。
決裁基準がないと、会社に何が起きるか
「うちは小さいから、その都度決めればいい」と思える段階でも、実際には次の4つが同時に進行しています。
1. 都度の判断で時間が溶ける
金額の大小にかかわらず全部聞きに行く運用は、経理担当者と決裁者の両方の時間を削ります。
しかも社長が外出中なら支払が止まります。承認待ちのまま支払期日が近づき、最後は「とりあえず払っておいて」で処理される。この「とりあえず」が常態化すると、そもそも承認という工程が意味を失います。
2. 担当者が判断を抱え込む
基準がないと、経理担当者は自分なりの線引きを作ります。「10万円くらいまでなら聞かなくていいだろう」という、誰とも合意していない基準です。
本人に悪気はありません。むしろ気を利かせているつもりです。しかしその線引きは文書のどこにもなく、社長の想定とずれていても誰も気づきません。判断が個人の頭の中にある状態は、そのまま属人化です。
3. 不正が起きても気づけない
決裁基準がない会社では、「その支払は通っていいものだったのか」を後から検証できません。承認の記録がないため、事後にチェックしようとしても比べる基準そのものがないからです。
これは担当者を疑う話ではありません。逆です。基準がない会社では、正しく処理していた担当者も自分の潔白を証明できません。 決裁基準は、担当者を守る仕組みでもあります。
4. 退職すると判断基準ごと消える
いちばん静かに、いちばん確実に効いてくるのがこれです。
前任者が長年守ってきた「この金額なら社長に相談」「この取引先は必ず契約書を確認」という基準は、口頭でも引き継がれないまま消えます。後任者はゼロから自己流の線引きを作り直し、数年後にまた同じことが起きます。
引継ぎ書に書き残すべき項目のなかで、この「承認・決裁の金額基準」は最も忘れられやすいものです。前任者にとっては当たり前すぎて、書く対象だと認識されないためです。書き残すべき項目の全体像は、経理の引継ぎ書テンプレート|抜け漏れを防ぐ全25項目リストに整理しています。
金額基準の決め方:4つの考え方
いちばん多い質問が「いくらで区切ればいいですか」です。残念ながら万能の金額はありません。年商1億円の会社と20億円の会社では、同じ100万円の意味がまったく違うからです。
そのかわり、決め方の考え方は共通しています。
考え方1:会社の規模と利益水準から逆算する
出発点は「この金額を間違えたら、会社にどれくらい効くか」です。
- その1件で月次の利益が目に見えて動く金額はどこか
- 1年で数件しか出ない大きさはどこか
- 毎日のように出る金額はどこか
この3つの感覚をつかむだけで、上限・中間・下限のイメージが出てきます。年間の販管費や月次の営業利益と見比べながら、「これ以上は社長が知らないとまずい」というラインを先に決めてください。上から決めるほうが早いです。
考え方2:月次の取引件数の分布を見る
これが実務でいちばん効きます。会計ソフトや支払一覧から、直近数か月の支払を金額順に並べてみてください。
そのうえで、件数の9割程度が最も下の区分に収まるように金額を置きます。
理由は単純で、上位の決裁者に回る件数を絞るためです。半分が社長決裁になる基準は、実質的に基準がないのと同じで、必ず形骸化します。逆に、日常の支払がほぼ担当者と管理者で完結するなら、残りの1割に決裁者がしっかり目を通せます。
考え方3:細かく分けすぎない
区分を5段階も6段階も作ると、運用する側が覚えられません。表を見ないと判断できない基準は、忙しい日には見られません。
金額の刻みも、きりのいい数字にしてください。**「48万円以上」より「50万円以上」**のほうが、記憶にも残り、間違いも減ります。
考え方4:まず3段階から始める
最初に作るのは、次の3段階で十分です。
| 区分 | 位置づけ | 決裁者の例 |
|---|---|---|
| 第1区分(日常) | 契約や前例にもとづく通常の支払 | 経理担当者+管理者の確認 |
| 第2区分(要確認) | 金額がまとまる、または前例と違うもの | 部門責任者・管理部長 |
| 第3区分(重要) | 経営判断が必要なもの | 社長(必要に応じて役員会) |
運用してみて「第2区分に入る件数が多すぎる」と感じたら、そこではじめて4段階目を足します。足すのは簡単、減らすのは難しいので、少なく始めてください。
決裁権限表のサンプル(取引の種類 × 金額区分 × 決裁者)
決裁基準は、金額だけでは決まりません。同じ100万円でも、毎月の家賃と、はじめての取引先への前払では、確認すべきことがまったく違うからです。
だから表は**「取引の種類」を縦軸、「金額区分」を横軸**にします。以下は記入例です。金額欄は自社で埋める前提で空欄にしてあります。数字を入れる前に、まず自社に該当する行を選ぶところから始めてください。
決裁権限表(記入例・金額は自社で設定)
| 取引の種類 | 第1区分(〜◯円) | 第2区分(◯円〜◯円) | 第3区分(◯円超) | 補足 |
|---|---|---|---|---|
| 通常の支払(既存取引・契約どおり) | 経理担当者 | 管理責任者 | 社長 | 契約・発注書と一致しているか |
| 新規取引先との取引開始 | ― | 管理責任者 | 社長 | 金額に関係なく初回は上位決裁 |
| 設備投資・固定資産の購入 | 管理責任者 | 社長 | 社長+役員会 | 減価償却・資金繰りへの影響を添付 |
| 借入・リース契約 | ― | ― | 社長 | 金額を問わず社長決裁 |
| 値引き・返品・売掛金の貸倒処理 | 管理責任者 | 社長 | 社長 | 理由書を必ず添付 |
| 採用(正社員・パート) | ― | 管理責任者 | 社長 | 年間人件費で判定する |
| 契約書の締結・更新 | 管理責任者 | 社長 | 社長 | 自動更新条項と解約条件を確認 |
| 現金の出金 | 経理担当者 | 管理責任者 | 原則不可(振込へ) | 上限額を必ず決める |
| 経費精算(立替払い) | 経理担当者 | 管理責任者 | 社長 | 領収書と目的の記載が前提 |
| 外注費の発注 | 管理責任者 | 管理責任者 | 社長 | 新規外注先は初回上位決裁 |
| 印章(社印・代表者印)の使用 | ― | 管理責任者 | 社長 | 使用記録簿への記入を必須に |
表を作るときの5つのコツ
- 金額に関係なく上位決裁にする行を作る。借入、新規取引先、貸倒処理などです。金額が小さくても性質が重いものは、区分から外して固定します。
- 「―」を積極的に使う。その区分が存在しない取引もあります。空欄より「―」のほうが、決め忘れと区別がつきます。
- 金額は税込か税抜かを表の中に明記する。ここが曖昧だと、境界線の案件で毎回もめます。
- 年額で見るか1件で見るかを決める。月額5万円のサブスクは、1件では小さくても年間60万円です。継続契約は年額換算で判定すると決めておくと安全です。
- 決裁者不在時の代理者を必ず書く。書いていないと、不在のたびに運用が止まるか、勝手に飛ばされます。
稟議が必要なものと、承認だけで足りるもの
「稟議」と「承認」を分けておくと運用が軽くなります。
| 区分 | 内容 | 対象の例 |
|---|---|---|
| 承認のみ | 支払一覧や伝票に決裁者が確認印・電子承認を付す | 契約どおりの支払、定型の経費 |
| 稟議 | 事前に文書で目的・金額・比較検討・効果を提出して決裁を得る | 設備投資、新規契約、新規取引先、採用 |
すべてを稟議にすると誰も回せません。新しく始めることには稟議、続いていることには承認、という切り分けが分かりやすいです。
承認と実行を分ける:内部統制のいちばん基本の原則
決裁基準と並んで大事なのが、同じ人が最初から最後まで完結しないという原則です。専門的には職務分掌といいますが、要は「決める人」「やる人」「記録する人」をずらすということです。
代表的な組み合わせは3つです。
| 場面 | 分けるべき役割 | 一人でやると起きること |
|---|---|---|
| 振込 | 振込データの作成者 と 実行(送信)者 | 振込先や金額を作成時に変えても、誰も気づかない |
| 現金 | 出納(現金を扱う人) と 記帳(帳簿を作る人) | 実際の残高と帳簿を合わせる調整が可能になる |
| 仕入・外注 | 発注する人 と 検収・受領を確認する人 | 届いていないものへの支払が通ってしまう |
これは「担当者が悪いことをする」という前提の話ではありません。一人で完結する仕組みは、ミスが起きたときにも誰も気づけないというだけの話です。二重振込や金額の入力ミスは、悪意がなくても普通に起きます。
少人数の会社でどう分けるか
とはいえ、経理が一人の会社で「作成者と実行者を分ける」のは物理的に無理です。現実的な代替策は次のとおりです。
- 社長が最後の確認をする。振込の実行前に、支払一覧(振込先・金額・件数の合計)を社長が見て承認する。全件を細かく見る必要はなく、合計金額と件数、そして見慣れない振込先がないかを見るだけで効果があります。
- 月次で第三者が事後チェックする。総務や別部門の社員が、月に一度、通帳の入出金明細と支払一覧を突き合わせる。事前に防げなくても、遅くとも1か月で見つかる状態を作ります。
- 通帳・ネットバンキングの閲覧権限を社長も持つ。実行権限は不要です。見られる状態にしておくだけで、仕組みとして機能します。
- 顧問税理士のチェックを組み込む。月次資料を渡す際に、通帳のコピーや残高証明も一緒に渡す運用にしておくと、外部の目が入ります。
- 現金を減らす。分けられないなら、そもそも扱いを減らすのが最も確実です。小口現金を廃止して法人カードと振込に寄せると、対象そのものが小さくなります。
完璧に分けられなくても構いません。「誰かがもう一度見る」工程がどこかに一つ入っていることが、実質的な分岐点です。
不正やミスが起きやすいポイントと、簡単な予防策
以下は「起きやすい」という話であって、「起きている」という話ではありません。仕組みの穴がどこにあるかを、事故が起きる前に埋めておくための一覧です。
| ポイント | 起きやすいこと | 簡単な予防策 |
|---|---|---|
| 現金 | 残高と帳簿のずれが放置される | 現金実査を毎日または週次で。担当者以外が月1回立ち会う。小口現金の上限額を決める |
| 振込先の変更 | 「口座が変わりました」というメールを鵜呑みにする | 変更依頼は必ず登録済みの電話番号へ折り返して確認。変更手続きは担当者と別の人が承認 |
| 外注先の登録 | 実体のない支払先が登録される | 新規取引先の登録は上位決裁。登記情報・請求書・契約書の3点をそろえてから登録 |
| 経費精算 | 領収書の重複提出、私的費用の混入 | 提出期限を締切化し、遅れた分は翌月扱い。金額基準以上は目的と参加者の記入を必須に |
| 在庫 | 帳簿と実物のずれ、持ち出し | 実地棚卸は担当者以外も参加。差異が出たら原因を記録して残す |
| 印章の管理 | 誰がいつ何に押したか分からない | 保管場所を施錠し、使用記録簿(日付・書類名・使用者・承認者)を運用 |
| ネットバンキング | 前任者のIDが生きたまま残る | 退職・異動のたびに権限を棚卸し。IDの一覧と管理者を文書化する |
セキュリティの観点から一つだけ補足します。IDやアカウントの管理表に書いてよいのは、IDの種類・利用者・管理者・保管場所までです。パスワードそのものを書類や共有ファイルに書き残す運用は避けてください。
決めたルールをどこに書くか
決めた基準の置き場所は、大きく3つあります。
| 置き場所 | 内容 | 向いている段階 |
|---|---|---|
| 決裁基準表(1枚) | 取引の種類 × 金額区分 × 決裁者の表 | まず最初。今日から作れる |
| 経理規程 | 現金・預金・支払・証憑保管など経理業務のルール全般 | 経理の運用が固まってきた段階 |
| 職務権限規程 | 役職ごとの権限範囲を全社的に定めた規程 | 組織が階層化し、部門長が増えた段階 |
おすすめは、迷わず1枚の表から始めることです。
理由は3つあります。規程はいきなり作ると分量が多く、完成前に力尽きること。実務で回してみないと、どの区分が使いにくいか分からないこと。そして規程は改定に手続きが要るため、試行錯誤の段階には向かないことです。
作った1枚は、次の場所に置いてください。
- 共有フォルダの最上位(誰でも見られる場所に)
- 経理担当者と決裁者の手元(印刷して机に貼る運用も有効です)
- 引継ぎ書の基本情報のページ
そして改定日と改定者を表の隅に書いておくこと。これがないと、何年も前の基準が現役のまま使われ続けます。年に一度、決算後などタイミングを決めて見直す日を作っておくと形骸化しません。
(関連記事:経理の業務マニュアルの作り方)
決めた基準は、必ず引継ぎ書に書き残す
ここまで作った決裁基準表には、もう一つ重要な役割があります。引継ぎ資料としての価値です。
経理の引継ぎでいちばん抜けるのは、手順ではなく判断基準です。振込の操作方法は画面を見れば分かりますが、「いくらから社長に確認するのか」は、どこにも書かれていなければ後任者には永久に分かりません。
引継ぎ書には、少なくとも次の4点をセットで書いてください。
- 決裁基準表そのもの(金額を埋めた最新版)
- 決裁者が不在のときの代理者と、緊急時の扱い
- 例外運用の実例(この取引先だけは事前承認が不要、この経費は年間予算内なら都度承認は不要、など)
- その基準にした理由(なぜ50万円なのか。理由が残っていれば、後任者が根拠なく変えることを防げます)
とくに4番目が抜けがちです。理由の分からない基準は、担当者が代わると「なんとなくきりのいい数字に」変更されます。そして変更されたことに誰も気づきません。
引継ぎ書に書き残すべき項目の全体像と、判断基準の書き方の型は、経理の引継ぎ書テンプレート|抜け漏れを防ぐ全25項目リストにまとめています。決裁基準は、そこで挙げている「最も書き忘れられる項目」の筆頭です。
(関連記事:一人経理が突然辞めたら?最初の3日)
今日から始める手順
最後に、着手の順番だけまとめます。半日あれば形になります。
- 直近3か月の支払一覧を出す。金額順に並べて、分布を眺める
- 取引の種類を書き出す。この記事の表の行から、自社に該当するものを選ぶ
- 3段階の金額を仮置きする。件数の9割が第1区分に入る水準を目安にする
- 金額に関係なく上位決裁にする行を決める(借入、新規取引先、貸倒処理など)
- 決裁者と代理者を書く。役職名で書き、個人名は併記にとどめる
- 社長と読み合わせる。ここで必ずずれが見つかります。それが最大の収穫です
- 3か月運用して、詰まった箇所だけ直す
- 引継ぎ書と共有フォルダに保存する
なお、内部統制や規程の整備は、会社の規模・業種・取引形態によって適切な形が変わります。金融機関への提出や、補助金・M&Aなど外部から体制を問われる場面が想定される場合は、顧問税理士に相談したうえで進めてください。
この記事の内容は2026年8月時点の一般的な実務を前提にしています。
よくある質問
Q. 社員が3人しかいません。それでも決裁基準は必要ですか? 必要です。むしろ人数が少ない会社ほど、一人あたりの権限範囲が広くなります。3人なら表も3行あれば足りますし、社長と担当者の2階層だけでも構いません。目的は階層を作ることではなく、判断の基準を頭の外に出すことです。
Q. 金額はいくらから社長決裁にするのが一般的ですか? 一般的な相場を探すより、自社の支払分布から決めるほうが確実です。年商も利益水準も取引件数も会社ごとに違うため、他社の数字をそのまま持ってくると、社長決裁が多すぎて回らないか、少なすぎて意味がないかのどちらかになります。まず自社の直近3か月の支払一覧を見てください。
Q. 決裁基準を作ると、逆に手続きが遅くなりませんか? 基準の作り方次第です。第1区分に日常の支払の大半が収まっていれば、むしろ速くなります。遅くなる会社は、区分を細かく作りすぎているか、上位決裁の対象が多すぎるかのどちらかです。運用してみて上位に回る件数が多いと感じたら、金額を上げて調整してください。
Q. 承認は紙の押印でないとだめですか? 形式に決まりはありません。会計ソフトやワークフローの電子承認、支払一覧への電子署名、共有シートの承認欄への記入でも構いません。大事なのは**「誰が、いつ、何を承認したかが後から確認できる」**ことです。記録が残らないメールでの口頭承認だけは避けてください。
Q. 職務権限規程のテンプレートを探しています。そのまま使えますか? たたき台としては有効ですが、そのまま使うのは避けてください。テンプレートは一般的な組織階層を前提にしているため、部長職のない会社では空欄の行が並び、実態と合わなくなります。自社の決裁基準表を先に作り、それを規程の形式に流し込む順番のほうが、結果的に早く仕上がります。
まとめ
- 決裁基準がないと、都度の確認で時間が溶け、判断が担当者の頭の中に溜まり、退職時にまとめて消える
- 金額は他社の相場ではなく、自社の支払分布から決める。件数の9割が第1区分に収まる水準が目安
- 区分は細かくせず、まず3段階から。取引の種類を縦軸、金額区分を横軸にした1枚の表を作る
- 借入・新規取引先・貸倒処理など、金額に関係なく上位決裁にする行を必ず設ける
- 承認と実行は分ける。分けられない少人数の会社は、社長の最終確認や月次の事後チェックで代替する
- 規程づくりは後回しでよい。A4一枚を運用し、引継ぎ書に書き残すところまでが最優先
決裁基準は、担当者を縛るための仕組みではありません。判断の責任を個人から会社に移し、担当者を守るための仕組みです。まずは支払一覧を印刷するところから始めてください。
経理の引継ぎ書テンプレート(Word・全35ページ)を無料配布中
年間スケジュール別・作業別・勘定科目別の3つの切り口で、引き継ぐべき項目を網羅したWordテンプレートです。記入例つき版と空欄版の2種類を用意しています。基本情報のページには、この記事で作った承認・決裁の金額基準を書き込む欄を設けています。
