一人経理が突然辞めたら?最初の3日でやること【社長・総務向け緊急ガイド】

一人経理が突然辞めたら?最初の3日でやること【社長・総務向け緊急ガイド】

経理担当者が急にいなくなったとき、会社が止まるのは帳簿が止まったときではありません。止まるのは、支払・給与・期限のある提出物が止まったときです。

試算表の作成が1か月遅れても、会社はすぐには困りません。しかし、月末の振込が実行されなければ取引先が止まり、給与が支給されなければ従業員が止まり、納付の期限を過ぎれば加算税や延滞税がつきます。つまり、最初の数日で見るべき対象は決まっています。

この記事では、一人経理が突然退職した会社で、社長や総務担当者が最初の3日で何をどの順番に確認すればいいかを整理します。3日分の確認表、退職者が在職中にやってもらうべきこと、その後の体制の選び方まで通しで書いています。

この記事を書いた人:中小企業の経理実務と、税理士事務所向けの実務ツール制作をしています。会計ソフトでは埋まらない「現場の手作業」を減らすテンプレートを作っています。


目次

まず押さえる前提:優先順位は「止まると困る順」

急な退職への対応で最も多い失敗は、引き継ぎ書を完璧に作ろうとして時間を使い切ることです。限られた日数でできるのは、業務の再現ではありません。「止まると困るものを止めないこと」と「後から調べられる状態にすること」の2つだけです。この2つに絞れば、経理経験のない総務担当者でも3日で形になります。

優先順位は次の3段階で考えます。

  1. 期限があり、遅れると外部に影響が出るもの(支払、給与、納付、提出)
  2. お金の入口と出口の流れ(請求、入金、仕入、支払サイクル)
  3. 調べるための情報(相談先、保管場所、IDと権限)

Day1で1を、Day2で2を、Day3で3を押さえます。仕訳の切り方や月次決算の手順は、この3日間では扱いません。後から税理士に相談すれば取り返せる領域だからです。


【Day1】止まると即困ることを止めない

初日は、社内の書類整理には手を付けません。外部との約束に関わるものだけを見ます。

支払予定と口座残高

最初に確認するのは、今日から30日間に予定されている支払です。

  • 直近の支払一覧(振込予定表、支払明細、支払依頼書など呼び方は会社ごとに違います)
  • 口座振替・自動引落の一覧(家賃、リース料、保険料、通信費、カード決済など)
  • 手形・でんさいの決済予定があるか
  • 各口座の残高と、引落日までに残高が足りるか

支払一覧が見つからない場合は、直近3か月の通帳・入出金明細をさかのぼるのが確実です。毎月同じ日に同じ相手へ出ている支払は、ほぼ継続的な支払です。

口座振替は担当者がいなくても実行されます。危ないのは、残高不足で引落が失敗するケースです。引落日と残高だけは初日に見ておきます。

給与の支給日と手続き

給与は、遅れた場合の影響がいちばん大きい支払です。

  • 支給日、締日、支給方法(振込データの作成方法、承認者)
  • 給与計算をどこでやっているか(自社ソフト/社労士/税理士/代行)
  • 社会保険料・住民税・源泉所得税の納付タイミング
  • 勤怠データの締めと集計を誰がやっているか

社労士に委託していれば、多くの場合そこが最大の助けになります。委託先が分からないときは、直近の振込先や請求書、口座の引落履歴から辿れます。給与計算を退職者がすべて社内で行っていた場合は、当月分だけでも外部に依頼できないかを早めに相談してください。

ネットバンキングの操作権限

見落とされがちですが、初日に確認すべき最重要項目です。

  • 誰が管理者IDを持っているか
  • 振込の実行権限を持つ人が社内に残っているか
  • 電子証明書やワンタイムパスワードの端末・トークンはどこにあるか
  • 承認が2名必要な設定になっていないか

退職者しか操作権限を持っていない状態は珍しくありません。権限の再設定には銀行での手続きと日数がかかることがあるため、判明した時点ですぐ銀行の担当者へ連絡します。振込ができない状態に気づくのが支払日の前日だと、間に合いません。

期限が近い納付・提出物

期限のあるものは、遅れると金銭的な不利益が出ます。直近1〜2か月に期限が来るものを洗い出します。

  • 源泉所得税・住民税(特別徴収)の納付
  • 消費税・法人税の中間申告と納付
  • 決算・確定申告が近い場合はその日程
  • 労働保険の年度更新、算定基礎届などの時期にあたるか
  • 償却資産申告、法定調書、給与支払報告書(年明けの時期なら)

期限は暦や自治体、会社の状況によって変わります(土日祝なら翌営業日、中間申告の要否は前期の納税額で決まる、など)。自社で判断せず、顧問税理士や自治体からの通知で確認してください。 税理士に「直近3か月で期限が来るものを教えてほしい」と伝えれば、たいてい一覧で返ってきます。

通帳・印章・カードの所在

物理的なものは、あるかないかがはっきりします。初日に現物を確認します。

  • 通帳、キャッシュカード、銀行印、代表者印、角印、ゴム印
  • 金庫の鍵と暗証番号の管理者
  • 法人クレジットカード、ETCカード、交通系ICカード
  • 小口現金の残高と出納帳の記録

現金がある会社は、退職者の最終出社日に立ち会いのもとで現金実査を行い、残高を書面に残します。あとから食い違いが出たとき、双方を守る記録になります。


【Day2】お金の入口と出口をつかむ

2日目は、請求と支払のサイクルを把握します。ここが分かると、翌月以降の見通しが立ちます。

請求書の発行方法

売上の請求が止まると、入金が止まります。しかも遅れが表面化するのは翌月以降なので、気づくのが遅れがちです。

  • 請求書はどのシステム・ファイルで作っているか
  • 発行のタイミング(月末締め翌月初発行、都度発行、など)
  • 送付方法(郵送、メール、取引先の指定Webサイトへのアップロード)
  • 押印や承認が必要か
  • 請求書番号の採番ルール

取引先が指定するWebサイトへの登録が必要なケースは特に注意が必要です。登録を忘れると、請求そのものが相手に届かず、支払が翌月以降に回ります。 過去の請求書控えを数か月分見れば、送付方法の違いは判別できます。

インボイス制度に関する記載事項(登録番号、税率ごとの区分、税額)が既存のフォーマットに入っているかも確認します。取扱いは改正が続く分野のため、最新の要件は税理士に確認してください。

得意先ごとの締日・入金日

一覧がなければ、Excelで簡単な表を1枚作るのがいちばん早いです。

得意先名 締日 入金予定日 請求方法 振込手数料の負担 備考

過去の入金明細を見れば、実際の入金日は分かります。契約書や取引基本契約に支払条件が書かれていることも多いので、あわせて確認します。

仕入先の締日・支払日

出口側も同じ形で整理します。

  • 仕入先・外注先ごとの締日と支払日
  • 支払方法(振込、口座振替、手形、カード)
  • 振込手数料をどちらが負担するか
  • 支払に社長決裁が必要な金額基準

「いくらから誰の承認が必要か」は、前任者にとって当たり前すぎて記録に残っていないことが多い項目です。基準が分からないときは、当面すべての支払を社長承認にしておけば安全側に倒せます。

未入金・未払の把握

最後に、いま宙に浮いているお金を確認します。

  • 売掛金の残高一覧と、期日を過ぎている入金
  • 買掛金・未払金の残高一覧
  • 経費精算の未処理分(従業員の立替が滞ると不満が出やすい部分です)
  • 前受金・前払金など、翌月以降に影響するもの

会計ソフトの補助残高一覧で把握できます。操作が分からない場合は、税理士事務所に「補助元帳を出してほしい」と依頼すれば対応してもらえることが多いです。


【Day3】相談先と保管場所を確定させる

3日目は、これから先「自分で調べられる状態」を作ります。手順書が間に合わなくても、誰に聞けばいいかとどこを見ればいいかが分かれば、会社は止まりません。

顧問税理士・社労士・銀行の担当者

  • 顧問税理士:事務所名、担当者名、連絡先、契約の範囲(記帳代行までか、申告のみか)
  • 社労士:担当者名、連絡先、給与計算や社会保険手続きをどこまで任せているか
  • 銀行:支店名、担当者名、ネットバンキングのサポート窓口
  • リース会社、保険代理店、システムのサポート窓口

このうち契約の範囲は必ず確認してください。「記帳は自社、申告は税理士」なのか「記帳から任せている」のかで、社内でやるべき作業量がまったく変わります。契約書か顧問料の請求明細に書いてあります。早い段階で税理士へ連絡し、担当者が退職した事実と当面の方針を共有しておくと、その後の相談がスムーズになります。

書類とデータの保管場所

  • 紙:どのキャビネットの何段目に、何年分あるか(請求書、領収書、契約書、給与関係、税務申告書の控え)
  • 電子:どのフォルダ、どのクラウドストレージにあるか
  • 会計データのバックアップの有無と場所
  • 電子取引データ(メールで受け取った請求書など)をどこに保存しているか

電子帳簿保存法への対応状況は、場所だけでも押さえておきます。電子で受け取った請求書は電子のまま保存する必要があるなど、保存方法にルールがあります。この分野も改正が続いているため、実際の運用は税理士に確認してください。

システムのIDと権限の棚卸

会計ソフト、給与ソフト、経費精算、請求書発行、ネットバンキング、税務申告ソフト、取引先の専用サイト。使っているものを全部書き出します。

システム名 用途 管理者 契約者 ID発行の窓口 状態

ここで記録するのは、IDの種類・管理者・問い合わせ先までです。パスワードそのものを一覧に書き出す運用は勧めません。書類やファイルが流出したときの被害が桁違いになります。パスワードは、退職者の退職に合わせて変更手続きを行い、新しい担当者が自分で設定する形にします。

クラウドサービスの契約者が退職者個人のメールアドレスになっている場合は、契約者情報の変更手続きが必要です。放置すると、更新のお知らせや障害連絡が誰にも届かなくなります。


3日間の確認リスト(そのまま印刷して使えます)

日 確認項目 確認先・確認方法 完了
Day1 今後30日の支払予定 支払一覧/通帳・入出金明細の直近3か月 □
Day1 口座振替・自動引落の一覧と引落日 通帳、口座明細 □
Day1 各口座の残高と引落日までの資金 ネットバンキング、通帳 □
Day1 給与の締日・支給日・計算方法 退職者、社労士、給与ソフト □
Day1 ネットバンキングの操作権限と証明書・トークン 銀行の担当者 □
Day1 直近1〜2か月に期限が来る納付・提出物 顧問税理士、税務署・自治体の通知 □
Day1 通帳・印章・カード・金庫の鍵の所在 現物の確認 □
Day1 小口現金の残高(立会いのうえ実査) 出納帳と現物 □
Day2 請求書の作成方法と送付方法 請求システム、過去の控え □
Day2 得意先ごとの締日・入金日・請求方法 契約書、入金明細 □
Day2 仕入先ごとの締日・支払日・支払方法 請求書、支払履歴 □
Day2 支払の承認基準(いくらから誰の決裁か) 退職者、社長 □
Day2 売掛金の未入金・買掛金の未払一覧 会計ソフトの補助残高一覧 □
Day2 経費精算の未処理分 申請書、精算システム □
Day3 顧問税理士の担当者と契約範囲 契約書、顧問料の明細 □
Day3 社労士の担当者と委託範囲 契約書 □
Day3 銀行の支店・担当者・サポート窓口 通帳、名刺 □
Day3 紙書類の保管場所と年分 現物の確認 □
Day3 電子データ・バックアップの保存場所 PC、クラウドストレージ □
Day3 使用システムの一覧とIDの管理者 請求明細、ログイン履歴 □
Day3 契約者名義が退職者個人になっていないか 各サービスの管理画面 □

項目ごとに「分かった」「不明」を記録しておくと、税理士に相談するときにそのまま質問リストになります。空欄が多くても構いません。空欄が見えていること自体が成果です。

より詳しい項目を網羅した一覧が必要なら、経理の引継ぎ書テンプレート|抜け漏れを防ぐ全25項目リストで業務単位のチェックリストを公開しています。


退職者が在職中に必ずやってもらうこと

まだ在職期間が残っているなら、書類作成より先に済ませるべき手続きがあります。本人がいなくなると、手続きの難易度が跳ね上がるものです。

1. アカウントの権限移管 各システムの管理者権限を、社内に残る人へ移します。管理者が退職者しかいないサービスは、退職後だと本人確認からやり直しになることがあります。契約者名義の変更も同時に行います。

2. パスワードの変更手続き 退職日にあわせて、共有アカウントのパスワードをすべて変更します。パスワードを書面やファイルで受け取る運用は勧めません。 引き継ぐのはIDの種類・管理者・問い合わせ窓口までにとどめ、新しい担当者が自分で再設定する形が安全です。退職者個人のIDは停止・削除まで確認します。

3. 鍵・カード・印章の返却 金庫や書庫の鍵、法人クレジットカード、ETCカード、入館証、各種印章。返却リストを作り、受け渡しの日付と受領者を記録します。金庫の暗証番号は変更します。

4. 取引先への担当者変更の連絡 主要な取引先、税理士、社労士、銀行に、担当者が変わることと新しい連絡先を伝えます。請求書の送付先や連絡先の宛名を変更してもらう依頼も、このタイミングで出します。連絡が漏れると、請求書が退職者宛のまま届き続けます。

5. 進行中の案件の申し送り 未解決の照会、取引先とやり取り中の金額、税務署からの問い合わせなど、宙に浮いている案件を口頭でよいので一覧にしてもらいます。

在職中に時間が取れるなら、退職者に3日分の確認表を渡し、知っている範囲だけ埋めてもらうのが効率的です。ゼロから聞き取るより、埋まった表を見て質問するほうが精度が上がります。


その後の体制をどう決めるか

3日間の応急処置が終わったら、次の担当をどうするかを決めます。選択肢は主に4つで、どれが合うかは業務量と社内に残っている知識の量で変わります。

選択肢 向いている場合 向いていない場合 コストの考え方
社内で兼任する 取引件数が少ない。総務や営業事務に経理の下地がある 給与計算や決算まで一人で抱える必要がある。兼任者の本業がすでに手一杯 人件費は増えないが、本業が圧迫される。残業と離職リスクを含めて判断する
派遣・スポットで人を入れる すぐに手を動かす人が必要。繁忙期だけ乗り切りたい 長期で安定させたい。判断や社内ルールの整備まで任せたい 期間と稼働時間で費用が変わる。契約期間と更新条件を必ず確認する
経理代行・記帳代行に出す 入力や支払処理など定型業務の比重が大きい。属人化を解消したい 社内に一切データがなく、現物のやり取りが多い 仕訳数・取引件数で見積が変わることが多い。範囲の線引きを文書で確認する
顧問税理士の契約範囲を広げる すでに信頼関係がある。記帳と申告をまとめたい 給与計算や日々の支払実務まで求める(対応範囲は事務所ごとに異なる) 既存の顧問料に追加する形。何がどこまで含まれるかを明細で確認する

具体的な金額の相場はここでは書きません。業種、取引件数、依頼範囲で大きく変わり、同じ条件でも事務所によって差が出るためです。判断するときは、次のやり方をおすすめします。

  • 依頼したい業務を箇条書きにして、同じ内容で複数社から見積を取る
  • 「月間の仕訳件数」「請求書の発行枚数」「従業員数」を伝えると精度が上がる
  • 見積書では、含まれる範囲と含まれない範囲(年末調整、決算、給与計算、来訪回数など)を必ず確認する
  • 最低契約期間と、途中解約の条件を確認する

すぐに決められない場合は、まず定型業務だけ外に出し、判断が必要な部分を社内に残す分け方が現実的です。全部を一度に決めようとすると止まります。


二度と同じことが起きないようにする

急な退職で会社が混乱するのは、担当者の責任ではありません。一人しか知らない状態を放置していた仕組みの問題です。落ち着いたら、次の3つを整えます。

引継ぎ書を常備する

退職が決まってから作るものではなく、担当者が在籍しているうちから置いておくものとして運用します。年間カレンダー、支払と給与のスケジュール、判断基準、相談先。この4つが書いてあるだけで、次に同じことが起きたときの負荷がまったく変わります。

書き方と項目の一覧は、経理の引継ぎ書テンプレート|抜け漏れを防ぐ全25項目リストにまとめています。年に1回、内容を更新する日を決めておくと形骸化しません。

月次で属人業務を棚卸する

月次決算の締めのタイミングで、「この作業を知っているのは何人か」を一覧に書き出します。1人しかいない作業に印をつけ、印がついたものから順に手順を書き足します。全部を一度にやろうとしないのがコツです。あわせて、担当者に計画的に休んでもらうのも有効です。1週間休んだときに止まる業務が、属人化している業務そのものです。

承認は二人体制にする

支払、振込、マスタ登録(振込先口座の追加・変更)は、作る人と承認する人を分けます。人数が足りない小さな会社でも、振込の最終承認だけは社長が行う運用にできます。

不正防止の話に見えますが、効果はそれ以上に大きいです。承認者が金額と支払先を毎月見ていれば、担当者が急にいなくなっても、支払の全体像を知っている人が社内に残ります。

(関連記事:経理の引継ぎ書テンプレート)


よくある質問

Q. 経理担当者が退職済みで、もう連絡が取れません。何から手を付けますか? Day1の項目を、通帳と口座の入出金明細から進めてください。過去3〜6か月の明細には、支払先、支払日、引落の周期がすべて記録されています。あわせて顧問税理士に連絡し、直近で期限が来る納付・提出物を確認してください。書類の整理はその後で構いません。

Q. 引き継ぎ資料がまったく残っていません。 珍しいことではありません。この記事の3日間の確認表を上から埋めていけば、当面必要な情報はそろいます。空欄は「不明」と書いて残し、税理士や銀行への質問リストとして使ってください。手順書は、次の月次を一巡させながら書き足すほうが実態に合います。

Q. 退職者にパスワードの一覧を作ってもらってもいいですか? 勧めません。書面やファイルにまとまったパスワードは、流出したときの被害が大きくなります。引き継ぐのはIDの種類、管理者、問い合わせ窓口までにとどめ、退職にあわせてパスワードを変更し、新しい担当者が自分で設定する運用にしてください。

Q. 決算や年末調整が近いのですが、間に合いますか? まず顧問税理士に、担当者が退職した事実と現在の状況を伝えてください。作業の一部を事務所側で引き受けてもらえる場合があります。判断が遅れるほど選択肢が減るため、資料がそろっていない段階でも早めに相談するのが結果的に近道です。

Q. 経理経験のない総務担当者が引き継ぐことになりました。 最初の3日は、仕訳や決算を理解する必要はありません。支払・給与・期限のあるものを止めないことだけに集中してください。会計処理の判断は、税理士に確認しながら進めれば問題ありません。むしろ、記録が残らないまま自己判断で処理するほうがリスクになります。


まとめ

  • 会社が止まるのは帳簿ではなく、支払・給与・期限のある提出物が止まったとき
  • Day1は支払予定と口座残高、給与、ネットバンキングの権限、期限の近い提出物、通帳と印章の所在
  • Day2は請求書の発行方法と、得意先・仕入先ごとの締日と入出金サイクル、未入金・未払の把握
  • Day3は税理士・社労士・銀行の担当者、書類とデータの保管場所、システムのIDと権限
  • 在職中なら、権限の移管・パスワードの変更手続き・鍵と印章の返却・取引先への連絡を優先する
  • 落ち着いたら、引継ぎ書の常備、月次での属人業務の棚卸、承認の二人体制で再発を防ぐ

完璧な引き継ぎを目指す必要はありません。「誰に聞けば分かるか」と「どこを見れば分かるか」が残っていれば、会社は動き続けます。

なお、この記事の内容は2026年8月時点の情報にもとづいています。インボイス制度や電子帳簿保存法など改正が続く分野は、実際の対応を顧問税理士に確認してください。


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