経理の年間スケジュール完全版|3月決算・12月決算の両方に対応した月別カレンダー

経理の年間スケジュール完全版|3月決算・12月決算の両方に対応した月別カレンダー

経理の仕事でいちばん怖いのは、難しい処理ではありません。存在自体を知らなかった業務が、期限を過ぎてから発覚することです。

日々の入力や請求書発行は、1か月もやれば体が覚えます。ところが年末調整、労働保険の年度更新、償却資産申告、算定基礎届といった年1回の業務は、初めて担当する人にとって「来ることすら知らない予定」です。しかもその多くは、月末月初の通常業務と重なってやってきます。

この記事では、経理の1年の流れを月別カレンダーで一望できる形に整理しました。さらに、3月決算と12月決算で何がどうズレるのか、決算日から逆算した準備の進め方、見落としやすい年次イベントまで扱います。読み終えたら、自社のカレンダーに書き写せる状態になるはずです。

期限は暦(土日祝との関係)・自治体・会社の状況によって変わります。この記事は考え方と全体像をつかむためのものです。実際の期限は毎年、顧問税理士や自治体・年金事務所からの通知で確認してください。


目次

経理の年間スケジュールは「2階建て」でできている

年間スケジュールが頭に入らないのは、性質の違う2種類の予定が混ざっているからです。まずこの2つを分けて考えます。

1階:暦で決まる予定(決算月に関係なく毎年同じ)

年末調整は12月、法定調書合計表と償却資産申告は1月末、労働保険の年度更新と算定基礎届は7月上旬。これらは会社の決算月が何月であっても、毎年同じ月にやってきます。

給与や社会保険にひもづく業務は、ほぼこの1階に属します。決算月が3月だろうと12月だろうと、7月には労働保険の年度更新が来ます。

2階:決算月で決まる予定(会社ごとにズレる)

実地棚卸、決算整理、法人税・消費税の申告と納付、株主総会、中間申告。これらは決算日を起点に前後に並ぶため、会社によって発生する月が違います。

年間スケジュールの記事や書籍が「3月決算前提」で書かれていることが多いのは、この2階部分だけを説明しているからです。12月決算の会社が同じカレンダーを使うと、まったく合いません。

カレンダーは「1階+2階」で1枚に重ねる

実務で使える年間スケジュールは、この2つを1枚に重ねたものです。次章でまず1階(暦の予定)を確定させ、そのあとに2階(決算の予定)を重ねます。引継ぎのタイミングでこのカレンダーを作っておくと、後任者が最初の1年を乗り切りやすくなります(引継ぎ書全体の作り方は経理の引継ぎ書テンプレート|抜け漏れを防ぐ全25項目リストで整理しています)。


【一覧表】経理の年間スケジュール・月別カレンダー(1〜12月)

まず1階部分です。決算月に関係なく毎年発生する年次イベントを、暦月順に並べました。月次で毎月発生する業務(源泉所得税の納付など)は次章で扱うため、ここでは年1回のものを中心にしています。

月 主な業務 期限の目安 提出先・関係先
1月 源泉所得税の納期の特例(7〜12月分)の納付 1月20日 税務署(金融機関)
1月 法定調書合計表・支払調書の提出 1月31日 税務署
1月 給与支払報告書の提出(退職者分も含む) 1月31日 従業員の住所地の市区町村
1月 償却資産申告(1月1日時点の保有資産) 1月31日 資産所在地の市区町村
1月 固定資産税の第4期納付(自治体による) 自治体の通知による 市区町村
2月 12月決算法人の法人税・消費税等の申告と納付 決算日の翌日から2か月以内 税務署・都道府県・市区町村
2月 従業員の所得税確定申告への対応(源泉徴収票の再発行依頼など) 3月中旬まで 社内・税務署
3月 健康保険料率・介護保険料率の改定確認(3月分から) 3月分(4月納付分)から 社内・協会けんぽ等
3月 3月決算法人の実地棚卸・決算準備 決算日 社内
4月 新年度の予算確定、新入社員の社会保険資格取得届 入社日から5日以内 年金事務所
4月 固定資産税の第1期納付(自治体による) 自治体の通知による 市区町村
5月 3月決算法人の法人税・消費税等の申告と納付 5月31日 税務署・都道府県・市区町村
5月 自動車税(種別割)の納付 5月末日ごろ 都道府県
5月 住民税の特別徴収税額通知の受領と検算 5月中に到着 市区町村
6月 住民税(特別徴収)の新年度切替 6月支給の給与から 社内
6月 労働保険の年度更新の開始 6月1日〜 労働局・労働基準監督署
6月 夏季賞与の計算・支給、賞与支払届 支給後5日以内 年金事務所
7月 労働保険料の申告・納付(年度更新) 7月10日 労働局・労働基準監督署
7月 算定基礎届(標準報酬月額の定時決定) 7月10日 年金事務所
7月 源泉所得税の納期の特例(1〜6月分)の納付 7月10日 税務署(金融機関)
7月 固定資産税の第2期納付(自治体による) 自治体の通知による 市区町村
8月 中間申告・納付の要否確認(決算月により時期は変動) 決算月による 税務署
9月 標準報酬月額の定時決定の反映(9月分から) 9月分(10月納付分)から 社内
10月 最低賃金の改定確認と時給の見直し 10月ごろ発効 社内
10月 年末調整の準備開始(申告書の配布、書類の様式確認) 11月中の回収を目標 社内
11月 年末調整書類の回収・チェック 12月の給与計算前まで 社内
11月 3月決算法人の中間申告・納付 11月30日 税務署
12月 年末調整の計算、過不足額の精算 12月または翌1月の給与 社内
12月 冬季賞与の計算・支給、賞与支払届 支給後5日以内 年金事務所
12月 12月決算法人の実地棚卸・決算準備 決算日 社内
12月 年末年始の休業に伴う支払日・入金日の前倒し調整 12月上旬までに通知 取引先・社内
12月 固定資産税の第3期納付(自治体による) 自治体の通知による 市区町村

特に重い月は1月・7月・12月

上の表を眺めると、負荷が集中する月がはっきり分かります。

1月は、法定調書合計表・給与支払報告書・償却資産申告という提出先の違う3つの書類が同じ1月31日に集中します。しかも直前の12月に年末調整をやっているため、実質的に年末年始が丸ごと繁忙期になります。

7月は、労働保険の年度更新と算定基礎届が同じ7月10日前後に並びます。加えて源泉所得税の納期の特例を適用している会社は、同じ日に半年分の納付があります。

12月は年末調整と賞与、そして年末年始の支払日前倒しが重なります。12月決算の会社は、ここに棚卸と決算準備が乗ります。

「準備の月」を先に押さえる

年次業務でつまずく人の多くは、期限の月だけをカレンダーに書いています。実際に手が動くのはその1〜2か月前です。

  • 年末調整(12月)→ 準備は10月、回収は11月
  • 労働保険の年度更新(7月10日)→ 賃金集計は6月
  • 償却資産申告(1月31日)→ 固定資産の増減確認は12月
  • 住民税の切替(6月)→ 通知書の検算は5月

カレンダーには、期限の欄と準備開始の欄を両方作ることをおすすめします。


決算月が違うと何がズレるのか:3月決算と12月決算の比較

ここからが2階部分です。日本では3月決算の会社が多いものの、12月決算も外資系や個人事業から法人成りした会社を中心に珍しくありません。両者を並べると、ズレる場所がはっきりします。

比較項目 3月決算 12月決算
決算日 3月31日 12月31日
実地棚卸の時期 3月末(年度末・異動期と重なる) 12月末(年末年始の休業と重なる)
申告・納付期限(原則) 5月31日 翌年2月末日
定時株主総会 6月ごろ(決算日から3か月以内) 3月ごろ(決算日から3か月以内)
中間申告の時期(該当する場合) 11月末 8月末
決算作業と重なる年次イベント 4月の入社手続き、5月の住民税通知・自動車税 12月の年末調整・冬季賞与、1月の法定調書・償却資産申告
賞与との重複 決算直後に夏季賞与(6〜7月) 決算月に冬季賞与(12月)
最も苦しい時期 4〜5月(決算+新年度対応) 12〜2月(決算+年末調整+法定調書+申告)
予算編成の時期 1〜3月(決算準備と並行) 10〜12月(年末調整準備と並行)

申告期限は「決算日の翌日から2か月以内」が基本

法人税の申告期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です。3月決算なら5月31日、12月決算なら翌年2月末日になります。

株主総会が2か月以内に開けない事情がある場合、申請により法人税の申告期限を1か月延長できる制度があります。ただし延長できるのは申告であって納付ではなく、延長期間には利子税がかかります。また消費税の申告期限は別扱いです。適用の可否は顧問税理士に確認してください。

12月決算は「三重苦」になりやすい

12月決算のいちばんの負荷は、暦の予定(1階)と決算の予定(2階)が真正面からぶつかることです。

12月に年末調整と冬季賞与、そして棚卸と決算。年が明ければ1月31日に法定調書合計表・給与支払報告書・償却資産申告。息をつく間もなく2月末に法人税と消費税の申告です。12月から2月までの3か月が連続した繁忙期になります。

対策としては、年末調整の書類回収を10月中に前倒しする、棚卸を実地棚卸日ではなく12月中旬の在庫状況から積み上げる方式に切り替える(会社の方針と監査の要否によります)、決算整理仕訳のうち減価償却や引当金の計算を12月中に仮計算しておく、といった「前倒しできるものを全部前倒しする」発想が有効です。

3月決算は「4〜5月の新年度対応」との衝突がつらい

3月決算は、年末調整と決算が離れている点では楽です。ただし4月は入社・異動・給与改定が集中し、5月には住民税の税額通知と自動車税が来ます。決算作業をしながら新年度の人事対応をするのが山場です。決算資料の作成を4月上旬に固めきり、中旬以降は税理士とのやり取りに絞る段取りが組めると安定します。

決算月にかかわらず共通する考え方

決算月が何月であっても、次の関係は変わりません。

  • 申告・納付は決算日の約2か月後
  • 株主総会は決算日の約3か月後
  • 中間申告(該当する場合)は決算日の約8か月後

自社の決算月にこの3つを足すだけで、2階部分の骨格は作れます。


毎月やること:月次のタイムライン

年間カレンダーの土台になるのが、毎月繰り返す月次のリズムです。日付で固定してしまうと、後任者もカレンダーに落とし込みやすくなります。

時期 やること 性質
月初1〜3営業日 前月の締め、現金実査、全口座の残高確定、売上・仕入の計上漏れ確認 社内ルール
5日前後 請求書の発行・送付、取引先ごとの締日対応 社内ルール
10日 源泉所得税の納付、住民税(特別徴収)の納付、社会保険料の口座振替の残高確認 法定期限
15日前後 経費精算の締切、仕入・外注請求書の回収期限 社内ルール
20日前後 支払一覧の作成、上長・社長の支払承認の取得 社内ルール
25日前後 振込の実行、給与の支給、住民税・社会保険料の控除確認 社内ルール
月末 口座振替の実行確認(社会保険料は月末振替が原則)、締め処理 混在
翌月初 月次決算、試算表の作成、月次報告、税理士への資料提出 社内ルール

法定期限と社内運用日は必ず分けて書く

上の表で「性質」の列を設けたのには理由があります。法定期限は動かせず、社内運用日は動かせるからです。

10日の源泉所得税と住民税の納付は法定期限です。10日が土日祝なら翌営業日にずれます。一方で「20日に支払承認」は自社が決めたルールなので、社長の出張が重なれば前倒しできます。

この区別が引継ぎ書に書かれていないと、後任者は社内ルールを法定期限だと思い込んで無理な段取りを組むか、逆に法定期限を社内ルールだと思って遅延させます。

納期の特例を使っている場合は月次のリズムが変わる

給与の支給人員が常時10人未満の会社は、申請により源泉所得税を年2回(1月20日・7月10日)にまとめて納付できる特例があります。住民税にも同様に年2回(12月10日・6月10日)にまとめる特例があります。

特例を使っていると毎月10日の納付がなくなるため月次は軽くなりますが、その分1月と7月の負荷が跳ね上がります。すでに重い1月と7月に、半年分の納付が乗ってくる形です。自社がどちらの方式かは、引継ぎで真っ先に確認すべき項目のひとつです。


決算日から逆算した準備スケジュール

決算は決算日から始まるのではなく、決算日の2か月前から始まっています。決算月を「0」として逆算する形で整理します。

時期 やること ポイント
決算2か月前 税理士との打合せ日程、実地棚卸の日程、株主総会の日程を先に押さえる。今期の着地見込みを試算 相手の予定が必要なものを最優先で確保する
決算1か月前 不良債権・滞留在庫・除却する固定資産の洗い出し。未請求・未計上の取引の確認。減価償却費の概算計算 「捨てる・落とす」判断は決算日までに終える
決算日 実地棚卸、現金実査、銀行へ残高証明書の依頼。締日と決算日がずれる取引の期ズレ確認 残高証明書は発行に日数がかかる
決算日+2〜3週 決算整理仕訳(棚卸、減価償却、引当金、経過勘定、消費税の精算)。勘定科目内訳明細書の作成 ここが決算作業の本体
決算日+3〜4週 税理士へ資料一式を提出。試算表・内訳書・証憑の受け渡し 提出物のリストを前年分から流用する
決算日+1〜2か月 申告書のドラフト確認、納税資金の準備、株主総会の招集 納税額は早めに資金繰り表へ反映する
決算日+2か月 定時株主総会(会社による)、法人税・消費税等の申告と納付 申告期限=納付期限
決算日+2〜3か月 決算の振り返り、翌期の予算・資金繰り計画への反映 来年の自分への申し送りを書く

「決算日までにしか決められないこと」を落とさない

逆算スケジュールで最も重要なのは、決算日を過ぎるとやり直せない項目です。

  • 実地棚卸(決算日時点の在庫は、後から数え直せません)
  • 固定資産の除却(決算日までに現物を処分したか、廃棄の証跡は残っているか)
  • 決算賞与の支給決定と通知(要件があります。適用の可否は税理士に確認してください)
  • 貸倒れの認識に必要な事実確認

これらは決算日の前に手を打たなければ、その期には反映できません。だからこそ「決算1か月前」の枠が効いてきます。

納税資金の準備を忘れない

決算作業に集中していると、納税資金の確保が後回しになります。法人税・地方税・消費税の合計は、資金繰りへの影響が大きい支出です。着地見込みを試算する決算2か月前の段階で、概算の納税額を資金繰り表に入れておくと安全です。あわせて、翌期の中間申告・納付の有無も見えるようになります。


見落としやすい年次イベントのチェックリスト

年間カレンダーに書き忘れやすいものを集めました。どれも「知らないと気づかない」タイプです。自社に当てはまるものにチェックを入れて、カレンダーへ転記してください。

料率・単価が変わるもの

  • 健康保険料率・介護保険料率の改定(協会けんぽは3月分=4月納付分から改定されるのが通例。都道府県ごとに率が異なる)
  • 厚生年金保険料率の確認(現在は固定されていますが、毎年確認する習慣を残す)
  • 雇用保険料率の改定(年度単位で見直されることがある)
  • 労災保険料率の改定(事業の種類ごとに設定される)
  • 最低賃金の改定(10月ごろ発効。都道府県ごとに額と発効日が異なる。パート・アルバイトの時給を全員分点検する)
  • 社会保険の標準報酬月額の定時決定の反映(9月分から。給与からの控除は翌月控除の会社なら10月支給分から)
  • 随時改定(月額変更届)の要否判定(昇給・降給から3か月の平均で判定)

税金の納期

  • 自動車税(種別割)/軽自動車税(5月ごろ。社用車の台数分の納付書が揃っているか)
  • 固定資産税・都市計画税の各期(多くの自治体で年4期。納期は自治体ごとに異なる)
  • 償却資産税(1月31日申告→6月ごろ納税通知)
  • 事業所税(該当する規模・地域の会社のみ)
  • 印紙税(大量発行なら税務署への一括納付の届出も検討)

要否を毎年判定するもの

  • 法人税の中間申告(前期の確定法人税額が一定額を超えると必要。該当する場合は税務署から通知が届くことが多い)
  • 消費税の中間申告(前期の消費税額に応じて年1回・3回・11回と回数が変わる)
  • 消費税の課税事業者判定と、簡易課税・2割特例など各種特例の選択届出(期限は事業年度単位。選択の届出は期限を過ぎると翌期まで待つことになります)
  • 決算賞与の支給有無
  • 保険料の年払い・前払費用の処理方針

制度・手続き

  • 電子帳簿保存法への対応状況の年次点検(保存方法、検索要件、社内規程)
  • インボイス制度に関する登録番号の確認・取引先の登録状況の更新
  • 各種届出の変更(役員変更、本店移転、給与支払事務所等の異動)
  • 労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の整備状況(法定3帳簿)
  • 36協定の更新(有効期間は原則1年。期限切れに注意)
  • 契約書・リース・サブスクリプションの自動更新日の一覧化

インボイス制度と電子帳簿保存法は改正や経過措置の見直しが続いている分野です。この記事の内容は2026年8月時点の一般的な整理なので、実務では必ず最新の情報を確認してください。


年間スケジュールを「自社版」に作り替える4ステップ

ここまでの内容は、あくまで一般的な型です。実際に使えるカレンダーにするには、自社の事情を上書きする必要があります。

ステップ1:暦の予定(1階)をそのまま書き写す

月別カレンダーの表を、そのままカレンダーやスプレッドシートに転記します。ここは決算月に関係なく共通なので、考え込む必要はありません。

ステップ2:決算月から2階を計算して重ねる

自社の決算日に「+2か月=申告・納付」「+3か月=株主総会」「+8か月=中間申告」を足して書き込みます。さらに決算日の2か月前・1か月前に、準備の枠を作ります。

ステップ3:前年の実績で答え合わせをする

いちばん確実な方法は、去年の証憑と提出書類の控えを月順に並べることです。ファイルの更新日、税理士とのメールの日付、納付書の控え。これらを見れば、その会社で実際に何がいつ起きたかが分かります。

一般的な型に載っていない自社固有のイベント(本部への報告、決算賞与の査定会議、監査法人の往査、補助金の実績報告など)は、この方法でしか拾えません。

ステップ4:担当者・所要時間・相談先の3列を足す

期限と業務名だけのカレンダーは、実際に使うと手が止まります。次の3列を足しておくと、後任者が動けるカレンダーになります。

  • 担当者・承認者(誰が判断するか)
  • 所要時間の目安(半日か、3日か)
  • 相談先(顧問税理士、社労士、自治体の担当課、システムのサポート窓口)

とくに相談先は、年1回の業務ほど価値があります。手順を完璧に書き残せなくても、聞ける先が分かっていれば業務は回ります。この考え方は引継ぎ書全体に共通するもので、経理の引継ぎ書テンプレート|抜け漏れを防ぐ全25項目リストでも詳しく整理しています。

(関連記事:月次決算を10日で締める手順)


よくある質問

Q. 経理の年間スケジュールは、どの単位で管理するのがいいですか? 紙のカレンダーよりも、スプレッドシートやタスク管理ツールでの管理をおすすめします。年次イベントは前年のコピーが使えるため、一度作れば毎年更新するだけで済みます。あわせてカレンダーアプリに繰り返し予定として登録し、準備開始日の1週間前に通知が出るようにしておくと、前倒しの習慣がつきます。

Q. 決算月を変更したら、スケジュールはどう作り直せばいいですか? 暦で決まる予定(年末調整、法定調書、労働保険の年度更新など)は変わりません。作り直すのは決算にひもづく部分だけです。ただし決算月を変更した期は事業年度が12か月未満になり、減価償却費の月数按分や消費税の中間申告の判定など、通常と異なる扱いが出ます。変更を検討する段階で税理士に相談してください。

Q. 期限が土日祝に当たった場合はどうなりますか? 国税や地方税の納付期限は、土日祝に当たる場合は翌営業日になるのが一般的です。ただし社会保険料の口座振替のように「月末振替、休日なら翌営業日」といった独自の扱いもあり、制度ごとに違います。カレンダーを作るときは日付を固定せず、毎年その年の暦で確認する運用にしてください。

Q. 初めて経理を担当します。まず何から手をつけるべきですか? 最初にやるべきは、直近3か月以内に期限が来るものの洗い出しです。毎月10日の納付、給与の支給日、翌月の年次イベントの3つを押さえれば、当面は止まりません。そのうえで、この記事の月別カレンダーを自社版に作り替えていくと、抜け漏れの不安が減っていきます。

Q. 一人経理で、年次業務の時期に休めるか不安です。 年間カレンダーを作ると、逆に「動ける時期」も見えてきます。一般的には、決算・年末調整・1月・7月を外した時期に余裕が生まれます。カレンダーを上長に共有しておくと、繁忙期の残業や休暇の相談もしやすくなります。スケジュールの可視化は、抜け漏れ防止だけでなく自分を守る材料にもなります。


まとめ

  • 経理の年間スケジュールは、暦で決まる予定(1階)と決算月で決まる予定(2階)の2階建て。分けて考えると一気に整理できる
  • 1階の山場は1月・7月・12月。法定調書と償却資産申告、労働保険と算定基礎届、年末調整と賞与がそれぞれ集中する
  • 2階は決算日に「+2か月=申告」「+3か月=株主総会」「+8か月=中間申告」を足すだけで骨格ができる
  • 12月決算は12〜2月が連続繁忙期になりやすく、前倒しできる作業を洗い出しておくことが対策になる
  • 料率改定・最低賃金・中間申告の要否など、毎年判定が必要な項目はチェックリスト化して毎年見直す

年間スケジュールは、作った瞬間よりも2年目以降に効いてきます。前年の記録を1年分残しておけば、翌年は同じ苦労をしません。まずは自社の決算月を起点に、1枚のカレンダーを作るところから始めてください。



参考(一次情報)

経理の引継ぎ書テンプレート(Word・全35ページ)を無料配布中

年間スケジュール別・作業別・勘定科目別の3つの切り口で、引き継ぐべき項目を網羅したWordテンプレートです。この記事で扱った月別カレンダー・月次タイムライン・決算逆算スケジュールの記入欄も収録しています。記入例つき版と空欄版の2種類を用意しています。

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