顧問先管理表をExcelで作る方法【決算月・報酬・進捗の一元管理】

顧問先管理表をExcelで作る方法【決算月・報酬・進捗の一元管理】

「あの顧問先の決算月っていつだっけ」「消費税は簡易だったか原則だったか」「報酬の請求額、契約書どこ?」——顧問先の基本情報を確認するたびに、契約書ファイルや担当者の記憶を探しに行く。この小さな摩擦の累積が、事務所の生産性を静かに削っています。

この記事では、顧問先情報を1枚に集約する顧問先管理表のExcel設計と、決算月別の業務量の見える化、報酬管理までを解説します。

目次

顧問先管理表は「事務所のマスタデータ」

この表は単なる連絡先リストではありません。期限管理表・納税スケジュール・請求管理・業務カレンダー——事務所のあらゆる管理表が参照するマスタデータです。だからこそ「1顧問先1行・情報はここにしかない」を徹底します(二度打ちの禁止)。

列設計:5つのグループ

グループ列の例
基本情報顧問先名/法人・個人の別/代表者/所在地/連絡先/キーパーソン
契約・報酬契約開始日/月額顧問料/決算報酬/年調・調書・償却資産の別途報酬/請求方法
税務ステータス決算月/青色・白色/消費税(免税・原則・簡易・2割特例)/届出の状況/納税方法(振替・ダイレクト納付)
体制担当者/レビュー者/会計ソフト/記帳の分担(自計化・記帳代行)
特記事項顧問先固有の注意点(役員構成・グループ会社・過去の論点)
顧問先管理表の列設計

特に「税務ステータス」グループは、消費税の届出ミスなど損害賠償に直結する情報の置き場です。担当者の頭の中から表に移すことが、この管理表の最大の目的といっても過言ではありません。(関連記事:No.111 消費税届出書の期限管理

作って終わりにしない3つの活用

① 決算月別の業務量を見える化する

=COUNTIF(決算月列, "3月")  ←月別の決算件数
棒グラフにして12ヶ月並べる

3月決算に偏っていれば5月が地獄になるのは構造の問題です。グラフで偏りを可視化できれば、新規受任時の決算月の提案(あえて3月以外を勧める)や、繁忙期の平準化の議論が数字ベースでできます。(関連記事:No.143 繁忙期を平準化する業務カレンダー

② 期限管理表・納税スケジュールの「親」にする

決算月を入力すれば、申告期限(決算月+2ヶ月)や中間納付の時期は数式で自動展開できます。期限管理表(関連記事:No.3 0)や納税スケジュール(関連記事:No.1 1)は、この管理表をXLOOKUPで参照して作る——マスタとして機能させる設計です。

③ 報酬の採算チェック

月額顧問料と記帳分担・訪問頻度を並べると、「手間の割に報酬が見合っていない顧問先」が浮かび上がります。年1回、報酬列を降順ソートして見直しの俎上に載せる——値上げ交渉や契約整理の出発点になります。(関連記事:No.141 料金表の作り方と値上げ/No.142 事務所KPIの管理

運用ルール

  • 更新の窓口を1人に:誰でも書き換えられる状態はマスタの死。変更は所定の担当者経由に絞り、変更日を記録する
  • 新規受任時のチェックリストと連動:受任時に全列を埋める運用にすれば、引継漏れも防げる(関連記事:No.144 新規顧問先の受入チェックリスト
  • 個人情報の保護:マイナンバー等はこの表に持たせない。閲覧権限とパスワード管理を設定する(関連記事:No.190 個人情報を含むExcelの取扱い

顧問先管理表テンプレートのご案内

5グループの列設計・決算月グラフ・期限管理表との連携数式まで組み込んだ顧問先管理表テンプレート(Excel)を用意しています。期限管理表・納税スケジュール表とセットで、事務所の管理体制が1日で立ち上がります。

まとめ

  • 顧問先管理表は連絡先リストではなく、事務所の全管理表が参照するマスタデータ
  • 消費税区分・届出状況など損害賠償に直結する情報を、人の記憶から表へ移す
  • 決算月別の件数グラフで繁忙の偏りを可視化し、受任戦略に活かす
  • 更新窓口の一本化と受任時チェックリストとの連動で、鮮度を保つ
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