予定納税・中間申告の納税スケジュールをExcelで管理する方法

予定納税・中間申告の納税スケジュールをExcelで管理する方法

「顧問先から『来月こんなに納税があるの?』と驚かれた」——中間申告・予定納税の連絡漏れは、顧問先の資金繰りを直撃し、事務所への信頼を損なう典型的な事故です。法人税・消費税・個人の予定納税はそれぞれ判定基準も納期も違うため、顧問先が増えるほど手作業での管理は限界を迎えます。

この記事では、中間申告・予定納税のルールを整理し、顧問先別の納税スケジュールをExcelで一元管理する方法を解説します。

目次

税目別・中間申告のルールを整理する

法人税:前期の法人税額が20万円超なら必要

前事業年度の法人税額が20万円を超えると、事業年度開始から6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内に中間申告・納付が必要です。納付額は原則「前期実績の2分の1」(予定申告)ですが、業績が悪化している場合は仮決算による中間申告で納付額を実額まで下げられます。

法人税の中間申告が必要な場合、地方法人税・法人住民税・法人事業税もセットで中間納付が発生します。

消費税:前期の年税額(国税分)で回数が変わる

前期の消費税額(国税分)中間申告の回数納付額(各回)
48万円以下不要(任意の中間申告制度あり)
48万円超〜400万円以下年1回前期の1/2
400万円超〜4,800万円以下年3回前期の1/4ずつ
4,800万円超年11回前期の1/12ずつ
消費税の中間申告(判定は国税分。地方消費税も併せて納付)

判定に使うのは地方消費税を含まない国税分である点が、実務で最も間違えやすいポイントです。標準税率10%のうち国税は7.8%なので、「前期の納付総額×7.8/10」でおおむね判定できます。

個人の予定納税:基準額15万円以上で7月・11月

個人事業主は、予定納税基準額(原則、前年の申告納税額)が15万円以上になると、その3分の1ずつを7月(第1期)と11月(第2期)に納付します。廃業・業績悪化時は減額申請も可能です。(関連記事:No.160 予定納税の減額申請

Excelで顧問先別の納税予定表を作る

ステップ1:顧問先マスタに判定材料を持たせる

  • 顧問先名/決算月/前期法人税額/前期消費税額(国税分)
  • 中間申告の要否・回数(数式で自動判定)
  • 個人の場合:前年の申告納税額
法人税の中間 =IF(前期法人税額>200000,"要","不要")
消費税の回数 =IF(前期国税分>48000000/10,"11回",IF(前期国税分>4000000,"3回",IF(前期国税分>480000,"1回","不要")))

ステップ2:EOMONTH関数で納期限を自動計算

法人税の中間納期限は「期首から8ヶ月後の月末」です。決算月から自動計算させます。

中間納期限 =EOMONTH(期首日,7)
確定納期限 =EOMONTH(決算日,2)

納付予定額(前期実績の1/2など)も数式で概算し、「顧問先×納付イベント」の一覧表を作れば、月別の納税予定が縦に並ぶカレンダーが完成します。

ステップ3:条件付き書式で期限接近を警告

条件付き書式の数式: =AND($納期限-TODAY()<=30, $納期限>=TODAY())

30日前になった行を自動で色付けし、事務所の月次ミーティングで「来月の納税連絡リスト」として確認する運用にすれば、連絡漏れは構造的に防げます。

実務の注意点

  • 仮決算の検討ライン:業績が前期比で大きく悪化している顧問先は、中間の資金負担を仮決算で下げられないか事前に検討する(中間納付額を資金繰り表へ連携。関連記事:No.16 資金繰り表の作り方
  • ダイレクト納付・振替納税の設定状況も台帳に持たせると、納付方法の案内までワンストップになる
  • 新設法人・免税から課税になった初年度は前期実績がないため中間申告は原則不要——逆に翌期の中間発生を先回りで伝えると親切
  • 消費税の年11回該当(大規模先)は毎月納付。月次資金繰りへの組み込みが必須

納税スケジュール管理テンプレートのご案内

顧問先マスタからの中間申告の自動判定・納期限の自動計算・期限30日前アラート・月別納税カレンダーを組み込んだ納税スケジュール管理表(Excel)を用意しています。事務所全体の「納税連絡漏れゼロ」の仕組みづくりにご活用ください。

まとめ

  • 法人税は前期税額20万円超、消費税は国税分48万円超(金額により年1・3・11回)、個人は基準額15万円以上で中間・予定納税が発生
  • 消費税の判定は「地方消費税を含まない国税分」で行う——最頻出の間違いポイント
  • EOMONTH関数と条件付き書式で、納期限の自動計算と30日前アラートを仕組み化する
  • 業績悪化先には仮決算・減額申請の検討まで先回りで提案する
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