「月末締め翌月末払いの支払日は?」「3月決算の申告期限は?」「源泉の納期特例の納付日は?」——経理の期限計算はすべて「◯ヶ月後の月末(または特定日)」のパターンです。これを一手に引き受けるのがEOMONTH関数。地味ですが、経理の日付計算ではSUMIFSと並ぶ主役です。
この記事では、EOMONTHの基本から、支払サイト・申告期限・営業日調整までの実用レシピを解説します。
目次
基本構文:2つ目の引数がすべて
=EOMONTH(開始日, 月数) →開始日から◯ヶ月後の「月末日」を返す
=EOMONTH(A2, 0) ←当月末
=EOMONTH(A2, 1) ←翌月末
=EOMONTH(A2, -1) ←前月末
=EOMONTH(A2, -1)+1 ←当月1日(月初はこの形で作る)
「月末」と「月初(前月末+1日)」の2パターンを覚えれば、あらゆる締め日・期限の計算に応用できます。
実用レシピ①:支払サイトの計算
| 支払条件 | 数式(A2=請求日・取引日) |
|---|---|
| 月末締め翌月末払い | =EOMONTH(A2,1) |
| 月末締め翌々月末払い | =EOMONTH(A2,2) |
| 月末締め翌月10日払い | =EOMONTH(A2,0)+10 |
| 20日締め翌月末払い | =EOMONTH(A2-20,1) ※20日までは当月扱いにするずらし技 |
「◯日締め」は、日付から締め日分を引いて月をずらすのがコツです。支払管理表・売掛金の入金予定(関連記事:No.132 支払管理表/No.23 売掛金の年齢調べ)はこの式で自動化できます。
実用レシピ②:税務の期限計算
法人税・消費税の申告期限 =EOMONTH(決算日, 2)
法人税の中間申告期限 =EOMONTH(期首日, 7)
源泉税の納付期限(原則) =EOMONTH(支払月, 0)+10 →翌月10日
納期特例(上期分) =DATE(YEAR(基準日), 7, 10) →7月10日
償却資産・法定調書 =DATE(年, 1, 31)
顧問先の決算月さえマスタにあれば、年間の期限がすべて数式で展開できます。期限管理表・納税スケジュール表の心臓部です。(関連記事:No.30 申告期限の管理表/No.11 納税スケジュール管理)
実用レシピ③:土日祝の調整——WORKDAYと組み合わせる
期限が土日祝なら翌営業日へ =WORKDAY(EOMONTH(A2,1)+1, -1, 祝日リスト)…の考え方より
実務は「期限の翌営業日ルール」: =WORKDAY(期限日-1, 1, 祝日リスト)
銀行振込は「前営業日」へ前倒し: =WORKDAY(支払日+1, -1, 祝日リスト)
税務の期限は土日祝なら翌開庁日、振込は前営業日に前倒し——方向が逆な点に注意してください。祝日リストは別シートに年分を用意し、WORKDAYの第3引数で参照します(毎年更新)。
あわせて覚えたい日付関数
- EDATE:◯ヶ月後の「同日」(契約更新日・リース満了の計算。関連記事:No.187 契約書管理台帳)
- DATEDIF:期間の月数・年数(勤続年数・経過月数。=DATEDIF(開始,終了,”m”))
- TODAY+期限:残日数(=期限-TODAY())を条件付き書式と組み合わせてアラート化(関連記事:No.42 条件付き書式のレシピ)
関連テンプレートのご案内
この記事の期限計算は、納税スケジュール管理表・申告期限管理表・支払管理表の各テンプレートに実装済みです。決算月を入れるだけで年間期限が展開される仕組みを、実物でご確認ください。
まとめ
- EOMONTHは「◯ヶ月後の月末」。月初は「前月末+1」で作る
- 「◯日締め」は日付を締め日分ずらしてからEOMONTH——支払サイト計算の鍵
- 申告期限は決算日+2ヶ月末、中間は期首+7ヶ月末。マスタから全期限を自動展開できる
- 土日祝調整はWORKDAY。税務期限は翌開庁日へ、振込は前営業日へと方向が逆

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