「今月いくら売れば赤字にならないか」——これに即答できる社長は意外と少ない。
結論:損益分岐点は固定費 ÷ 粗利率で求められます。むずかしい数式は不要で、毎月の固定費と粗利率が分かれば5分で計算できます。
目次
損益分岐点とは何か
損益分岐点(Break-Even Point)とは、利益がゼロになる売上高のことです。これを下回ると赤字、上回ると黒字になる境界線です。
小さな会社にとっては「毎月これだけ売れれば生き残れる」という最低ラインとして機能します。
計算式
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 粗利率
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 固定費 | 売上ゼロでも毎月必ず出ていく費用(役員報酬・社会保険料・家賃・保険料・サブスク等) |
| 粗利 | 売上 − 変動費(仕入・外注費など売上に比例する費用) |
| 粗利率 | 粗利 ÷ 売上(小数で計算) |
計算例
ある一人会社のケース:
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 役員報酬 | 30万円 |
| 社会保険料(会社負担) | 5万円 |
| 家賃・光熱費 | 8万円 |
| サブスク・保険等 | 2万円 |
| 固定費合計 | 45万円 |
売上100万円のとき、仕入・外注費が30万円とすると:
- 粗利 = 100 − 30 = 70万円
- 粗利率 = 70 ÷ 100 = 0.70(70%)
損益分岐点 = 45万円 ÷ 0.70 = 約64万円
→ 毎月64万円以上売れれば赤字にはならない、という計算になります。
(数値は説明用サンプルです)
使い方:「もし」を試算する
損益分岐点が分かると、意思決定がシンプルになります。
固定費が増えたら?
役員報酬を5万円上げると固定費は50万円に。損益分岐点 = 50 ÷ 0.70 ≒ 72万円。上げる前に「毎月72万円売れるか」を問えます。
値引きしたら?
粗利率が70%→60%に下がると、損益分岐点 = 45 ÷ 0.60 = 75万円。値引きがいかに損益に響くかが数字で見えます。
固定費を削ると?
サブスク2万円を解約して固定費43万円に。損益分岐点 = 43 ÷ 0.70 ≒ 61万円。固定費削減の効果もすぐ試算できます。
自社の粗利率が分からないとき
会計ソフトに月次の損益計算書があれば、「売上総利益 ÷ 売上高」がそのまま粗利率です。会計ソフトがなければ:
- 先月の入金合計(売上)を出す
- 先月の仕入・外注費の支払い合計を出す
- (1 − 2) ÷ 1 で粗利率が出る
業種や案件により粗利率が大きく変わる場合は、直近3〜6か月の平均を使うと安定します。
まとめ
- 損益分岐点 = 固定費 ÷ 粗利率
- 毎月の固定費と粗利率が分かれば5分で計算できる
- 「固定費を上げる前」「値引きを決める前」「固定費を削るとき」に使う
- 損益分岐点は毎月見る5つの数字(一人会社が毎月見るべき数字5つ(月1回15分の習慣))と組み合わせて使うと効果的
