備品・PC・ソフトウェアライセンスの管理台帳をExcelで作る

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「あのノートPC、誰が使ってる?」「このソフトのライセンス、何本契約してたっけ?」――退職者のPCが行方不明、同じソフトを部署ごとに重複契約、保証期間内なのに有償修理……。備品・PC・ソフトウェアの管理が曖昧な会社では、小さな無駄と情報セキュリティのリスクが同時に積み上がります

この記事では、情シス専任のいない中小企業向けに、備品・PC・ソフトライセンスの管理台帳をExcelで作る方法と、固定資産台帳との関係整理を解説します。

目次

基礎知識:3つの台帳の役割分担

  • 固定資産台帳(経理):取得価額10万円以上等の資産の減価償却計算が目的(関連記事:No.22 固定資産台帳の作り方
  • 備品・PC台帳(総務・情シス):金額にかかわらず「何が・どこに・誰の手元にあるか」の現物管理が目的。10万円未満で経費処理したPCも載せる
  • ライセンス台帳:ソフトウェア・クラウドサービスの契約数と割当先の管理が目的。現物がないぶん見落としやすい

ポイントは、経理の固定資産台帳だけでは現物管理はできないということ。逆に現物台帳に償却計算は不要です。役割を分けて、資産番号で相互に紐づけます。

Excelでの実装手順

ステップ1:備品・PC台帳の列設計

「資産番号/分類(PC・モニタ・什器・工具等)/品名・型番/シリアル番号/取得日/取得価額/使用者/設置場所/状態(使用中・保管・修理中・廃棄済)/保証期限/固定資産台帳番号(10万円以上の場合)/備考」で構成します。資産番号はラベルシールで現物にも貼り、台帳と現物が資産番号で一致する状態を作ります。

保証期限アラート =IF(AND(状態="使用中",保証期限-TODAY()<=60),"保証期限接近","")

ステップ2:ライセンス台帳の列設計

「サービス名/契約形態(買切り・年額・月額)/契約数(シート数)/実際の割当数/割当先一覧(別シートで1行1ユーザー)/単価/年間コスト/契約日・更新日/解約予告期限/管理者アカウントの所在」で構成します。

余剰ライセンス =契約数-COUNTIF(割当シート!サービス列,サービス名)
無駄コスト =余剰ライセンス*単価*12

この「余剰ライセンス×年額」の列が、台帳整備の投資対効果を即座に証明してくれます。退職者のアカウント解約漏れ・部署別の重複契約は、ほぼすべての会社で見つかります。更新期限の管理は契約書管理台帳(関連記事:No.187 契約書管理台帳)と同じEDATE方式です。

ステップ3:入退社・異動時の運用フローを決める

  • 入社時:貸与品(PC・スマホ・鍵等)を台帳から選んで使用者を更新し、貸与書に署名をもらう
  • 異動時:設置場所・使用者を更新
  • 退職時:貸与品の返却チェックリストを台帳から自動生成(使用者でフィルタするだけ)し、アカウントの解約・停止も同時に処理(関連記事:No.135 退職手続きチェックリスト

台帳が生きるかどうかは、この「人の動きと台帳更新をセットにする」運用で決まります。年1回の現物照合(棚卸し)も、資産番号があれば半日で終わります。

実務の注意点・つまずきポイント

  • 10万円未満のPCこそ台帳に載せる:経費処理された物品は経理帳簿から消えるため、現物台帳がなければ完全に管理外になります。情報漏えいリスクの観点でPC・スマホ・USBメモリは金額不問で登録します
  • 少額減価償却資産・一括償却資産の区分メモ:取得価額による税務処理の区分(関連記事:No.52 少額減価償却資産の判定)を台帳の備考に残すと、償却資産申告の対象判定にも使えます
  • 個人持ちデバイスの業務利用(BYOD):会社資産ではなくても、業務データが入る端末はルールと一覧管理が必要です
  • ソフトの「管理者アカウント」の所在を必ず記録:担当者退職でログインできなくなる事故が多発しています。管理者権限の引継ぎは退職チェックリストに組み込みます
  • 廃棄の記録:PCの廃棄はデータ消去の証明(消去証明書等)とセットで記録します。捨てた記録がないと紛失と区別できません

備品・ライセンス管理台帳テンプレートのご案内

本記事の設計(備品台帳+ライセンス台帳+割当管理+入退社フロー連動)を組み込んだ「備品・PC・ライセンス管理台帳Excel」を用意しています。余剰ライセンスの無駄コスト自動表示、退職時の返却チェックリスト自動生成付き。契約書管理台帳・車両管理台帳とあわせた総務3点セットでの導入がおすすめです。

まとめ

  • 固定資産台帳(償却計算)と現物台帳(所在管理)は役割が別。資産番号で紐づける
  • 10万円未満のPC・スマホこそ現物台帳に。経費処理後は帳簿から消えるため
  • ライセンスは契約数と割当数の差分で余剰を自動検出。年額換算で無駄が見える
  • 入社・異動・退職と台帳更新をセットにする運用が台帳を生かす
  • 管理者アカウントの所在記録と廃棄時のデータ消去証明を忘れない
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