経理はどこまで自分でやる?税理士に任せる範囲の決め方

経理はどこまで自分でやる?税理士に任せる範囲の決め方

一人会社をつくると、経理のすべてが自分の責任になります。全部自分でやろうとすれば時間を食い、全部外注すれば費用がかさむ——どこで線を引くかが問題です。

結論:「日常の記帳・管理」は自分でやり、「税務申告・節税判断」は税理士に任せるのが一人会社のスタンダードな分担です。クラウド会計の普及で、この分担ラインは以前より自分寄りに引けるようになっています。

目次

自分でやるべき業務・任せるべき業務

業務 自分でやる 税理士に任せる
日々の領収書・銀行明細の記帳 ◎(クラウド会計で効率化) △(費用がかかる)
請求書の発行・入金管理 ◎(テンプレで対応)
月次の数字確認(5項目チェック)
年末調整 △(ソフトで対応可能) ○(任せると確実)
法人税・消費税の確定申告 △(リスクが高い)
節税対策の提案(社宅・役員報酬等)
税務調査への対応 ◎(必ず任せる)
融資の際の試算表・事業計画の説明 ○(税理士同席が有利な場合も)

「全部自分でやる」のリスク

税務申告は法律に基づく義務のある手続きです。申告漏れ・計算ミスが発覚した場合、追徴課税・加算税のリスクがあります。特に以下は専門知識が必要で、ミスのリスクが高い領域です。

  • 消費税の課税・免税の判定と申告
  • 役員報酬・社宅など現物給与の処理
  • 棚卸・減価償却の計算
  • 消費税のインボイス・経過措置の適用

初期費用を抑えたい気持ちは理解できますが、ミスへの対応コストは顧問料をはるかに超えることがあります。

税理士費用の相場感

一人会社(小規模)の顧問契約の場合、おおまかな相場は:

  • 記帳代行なし(自分で記帳・申告のみ依頼):年間15万〜30万円程度
  • 記帳代行あり(月次処理から申告まで一括):年間30万〜60万円程度

※地域・事務所規模・売上規模によって大きく異なります。見積もりは複数社から取ることをおすすめします。

「顧問料が高い」と感じる場合は、自分でクラウド会計で記帳し、申告だけスポットで依頼する形も選択肢です。

クラウド会計で変わる分担ライン

freee・マネーフォワードなどのクラウド会計は、銀行口座・クレジットカードを連携させると入出金が自動取込・自動仕訳されます。これにより:

  • 日々の記帳の手間が大幅削減(月1回の確認・修正程度)
  • 税理士が同じデータをリアルタイムで参照できる(ファイルの受け渡し不要)
  • 月次・年次の帳簿がほぼ自動で完成する

結果として、「記帳は自分でやり、申告・節税アドバイスだけ税理士」という分担が現実的に実現しやすくなっています。

税理士を選ぶポイント

  • 小規模法人・一人会社の実績があるか:大企業向けの事務所と小規模向けでは得意分野が異なる
  • クラウド会計(freee・MFクラウド等)に対応しているか:対応していないと連携のメリットが半減
  • 節税提案を積極的にしてくれるか:申告だけ、ではなく「この制度を使えるか」を一緒に考えてくれる税理士が理想(社宅・役員報酬の設計等)

まとめ

  • 日常の記帳・請求管理は自分でやり、申告・節税判断は税理士に任せるのが標準
  • 消費税申告・役員報酬・減価償却など専門知識が必要な領域を自己判断するリスクは高い
  • クラウド会計の活用で「記帳は自分・申告は税理士」の分担が現実的になっている
  • 顧問料は「記帳代行なし+申告のみ」で年15万〜30万円程度が目安(要見積もり)

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断は税理士等にご確認ください。


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